当財団は、シングルマザー(母子)家庭のお子様を対象に学資金を支援する財団法人です。シングルマザー家庭の年収は、平均240万円程で、同じひとり親家庭であるシングルファザー家庭に比べると半額以下となります。現状の大学進学を望む学生は、中学生の間から塾で学ぶ必要がありますが、その費用の捻出は一般的なシングルマザー家庭の年収では困難なことが考えられます。
私の父は恵比寿で歯科医師をしており、新築ビルの完成直前に脳梗塞で亡くなり、シングルマザー家庭となりました。私が小学校2年の時です。
その後、八場ダムとなった川原湯温泉の別荘に母と引っ越しました。小学校6年の3学期に母は私の教育を考え、母の実家の日吉に引っ越しました。転校すると学力の差は大きく、他の生徒はほとんど塾に通っており、私の望む中学校は今からの勉強では間に合わないと言われました。
住まいは母の実家でしたが、表通りに面したところは事務所に、また空いている何部屋かを学生に貸しました。私は手に職をと考え、多摩美術大学のグラフィックデザイン学科に入学しました。この勉強が後の宣伝・広告等に大いに役立ちました。
1975年に、私は家に下宿していた襟川陽一と結婚し、その後1978年に夫婦二人で株式会社光栄(現株式会社コーエーテクモホールディングス)を設立しました。夫の誕生日に私がパソコンをプレゼントしたことがきっかけとなって、夫はオリジナルのシミュレーションゲームを開発して、ゲームファンから高い評価を頂き、やがて2001年に東証一部上場となり、大きな資金を得ることが出来ました。
この資金を世の中のために有効に活用するために、国の援助が行き届かないシングルマザー家庭分野での人材教育の支援に活かしたいと考えました。向学心に富み、優秀な才能を持ちながら経済的な理由により進学を断念するお子様は、日本の将来にとっても大きな損失となります。私はこのような事態を憂慮し、当財団を設立し、学資金事業を始めることに致しました。
具体的には、中学生(2年生から3年生)、高校生、大学生に学資金を給付することで、通塾や進学に対する経済的、心理的負担を軽減して学業に励んでもらいます。
この学資金を通じて、将来の日本の発展のため、シングルマザー家庭のお子様が世界で活躍されることを願っております。
2024年7月1日
公益財団法人 襟川教育財団
代表理事